浜田尚里が5戦オール一本V 初五輪決定的!29歳10カ月 日本柔道女子最年長で

 「柔道・グランドスラムデュッセルドルフ大会」(23日、ドイツ)

 東京五輪代表選考会の一つとして行われ、女子78キロ級は昨年世界選手権銀メダルの浜田尚里(29)=自衛隊=が5試合オール一本勝ちで優勝し、五輪代表入りを決定的とした。五輪本番を29歳10カ月で迎えるため、初五輪では29歳1カ月で12年ロンドン五輪に出場した上野順恵を抜いて日本女子史上最年長となる。男子90キロ級は世界選手権銀メダルの向翔一郎(23)=ALSOK=が3位で代表に大前進。女子78キロ超級では五輪代表を逃した朝比奈沙羅(23)=パーク24=が優勝した。今大会の結果を受け、27日の全日本柔道連盟強化委員会で五輪代表選手を協議する。

 29歳の寝技師、浜田が初の五輪切符を確実にした。「五輪代表になりたいと思って今までやってきたので、この大会で結果を出せて良かった」。世界屈指の寝技技術を駆使して勝ち上がると、決勝も17年世界女王のアギアル(ブラジル)に対して持ち味を発揮。開始15秒で寝技に引き込むと、抑え込みを2度逃げられるもしつこく追い続けて、3度目はガッチリ固めて相手の心をへし折った。

 寝技ではどんな相手も仕留められる半面、立ち技では強引に勝負して玉砕する悪癖もあったが、徐々に克服してきた。また、相手が寝技を警戒してくる中、準決勝では担ぎ技から寝技につなげる新たな動きも披露。日本女子の増地克之監督は「寝技に持ち込む方法、選択肢を増やすというところで、今後に向けて収穫」とうなずいた。

 9月で30歳。柔道では日本女子史上最年長での初五輪となるが、老け込むどころか年々成長を続けている。増地監督は「寝技はコツコツと地味なものだが、それを嫌にならずにやれる心のスタミナを備えている」と評し、「年齢を感じさせない強さを出している。寝技はいくつになってもできる。29歳で今一番ピークを迎えてるんじゃないか」と“アラサーの若手”に目を細めた。

 立ち技に比べて、寝技は調子にも左右されないだけに大舞台でも安定した力を発揮できる。「五輪の代表になって優勝することが目標」と浜田。時間をかけて磨き上げた絶対的な一芸には、金メダルを獲るに十分な無限のロマンを感じさせる。

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