東京五輪開催、5月期限に判断か IOC委員が見解示す
新型コロナウイルス感染拡大で開催を危ぶむ声が出始めている7月24日開幕の東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)で1978年から委員を務める最古参のディック・パウンド氏(77)=カナダ=がインタビューに応じ、開催是非の判断の期限は引き延ばせて5月下旬との見方を示した。25日、AP通信が報じた。
弁護士でもあるパウンド氏は、準備期間の短さから他都市での代替開催や分散開催は難しいと指摘した。東京開催を数カ月延期することも、米プロフットボールNFLや米プロバスケットボールNBAのシーズンと重なるため、巨額の放送権料を支払う北米のテレビ局が納得しないだろうと否定的で、事態が収束しなければ「中止を検討するだろう」と推測した。
1940年の開催都市に夏季大会は東京、冬季大会は札幌が選ばれていたが、日中戦争が拡大した影響で返上に追い込まれ、代替地を検討したIOCも最終的に開催を断念したことがある。今夏の東京五輪は1万1千人の選手参加を見込む。
パウンド氏は世界反ドーピング機関(WADA)の元委員長で、ロシア陸上界の組織的なドーピング問題を調査したWADA第三者委員会の責任者を務めたこともある。