阿部一二三が左手親指を脱臼 五輪最終選考会…井上監督「問題ない」
柔道の東京五輪代表選考会の一つとして行われたグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会で優勝し、望みをつないだ男子66キロ級の阿部一二三(22)=日体大=が左手親指を脱臼していたことが25日、明らかになった。成田空港に帰国した日本男子の井上康生監督が明かした。
試合を勝ち上がる過程で負傷したもので、大事を取って試合翌日に緊急帰国。検査を受けた結果、脱臼とじん帯の損傷と診断された。ただ、骨に異常はなく、既に打ち込み、投げ込みなどの練習は可能だという。最終選考会である全日本選抜体重別選手権(4月、福岡)出場について、井上監督は「問題ない」との見解を示した。
阿部は今大会で負ければ五輪が絶望的だったが、優勝したことで19年世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と並んだ。最終決戦に向けて負傷は不安材料となるものの、右組みの阿部にとって左手は引き手側で、相手の袖などを握る際に影響の大きい小指側でなかったことは不幸中の幸いだったと言えそうだ。