春場所、最悪中止も…新型コロナ対応に四苦八苦 3月1日にも最終判断

 猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で大相撲の春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)が中止、無観客開催となる可能性が25日、出てきた。八角理事長(元横綱北勝海)ら日本相撲協会の幹部が大阪市内で緊急対策協議。感染の広まり、政府の動向などを注視し3月1日にも臨時理事会を開き、最終判断する方針を固めた。また尾車事業部長(元大関琴風)が力士会に出席し、握手などファンサービスの自粛を関取衆に指示した。

 年に1度の大阪、春場所の開催が危機だ。力士会に出席後、尾車事業部長は「無観客の開催になるのか、中止になるのか、通常開催なのか。今後の動向で日々変わってくる」と3つの選択肢を挙げ、中止、無観客の可能性があることを明言した。

 中止となれば八百長問題で揺れた11年春場所以来。一般客に非公開の本場所となれば1945年夏場所以来の非常事態となる。

 同部長は場所前恒例の住吉大社での横綱奉納土俵入りが中止となったことを明かした。今後の行事も再考材料。Jリーグなど他競技でも中止、順延が相次ぐ中、春場所は約7000人収容の室内で15日間の興行というのはリスクが相当に高い。

 春場所の開催可否に関し、この日の夕方に八角理事長ら協会幹部が約2時間半、緊急対策協議を行った。無観客開催や中止となれば払い戻し作業もある。3月1日にも臨時理事会を開き、最終審議する。

 芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「自粛しろと言われているわけではない。1週間で動きがあると思う」と説明。今後の感染拡大状況や政府とも連携しながら結論を下す。

 現段階では通常開催に向け準備を進める。力士会では尾車部長(元大関琴風)が注意喚起した。「不要な外出は控えて感染予防してくれと。万が一、力士が1人でもコロナにかかると全体のことになる。本場所を中止せざるをえなくなる」と1人感染で中止になることを明示。予防に関する資料も手渡し、握手、サインなども断るよう指示した。

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