元大関の高安が30歳に 稽古では貴景勝に7勝3敗「自分の相撲が戻りつつある」
「大相撲春場所」(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)
元大関の幕内高安(田子ノ浦)が28日、節目の30歳誕生日を迎えた。大阪府堺市内の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。大関貴景勝(23)=千賀ノ浦=と三番稽古(同じ相手と続けて取る)し、7勝3敗と勝ち越し、上々の三十路(みそじ)第一歩を踏み出した。
突き押し一本、突破力のある後輩大関に馬力勝ちした。立ち合いの当たりで相手を押し込み、そのまま押し切って圧倒。力強く組んで寄り切る四つ相撲も会心だった。
「自分の相撲が戻りつつある感じ。隙のないように頭を使って考えながらやった。自分の相撲にこだわることを目標に場所前の稽古も取り組んでいる。立ち合い、当たって自分得意の形になるのが一番」とうなずいた。
昨年九州場所で15場所務めた大関を陥落。10勝挙げれば大関復帰が可能だった先場所は6勝9敗に終わり、今場所23場所ぶりに平幕に落ちた。左肘痛、腰痛など持病に苦しんできたが、再出発へ向け、心身とも整ってきた様子だ。
「力不足で落ちたから。過去のことは過去のこと。今どうするのか考えて勝負したい。また上を目指して勝負したい」と意気込んだ。
平成生まれ初の関取も30歳になった。「月日はあっという間に過ぎていく。ここから10年、20年やるわけじゃない。しっかりと勝負をかけて。これから努力したい。いろんな経験がある。もうひと花咲かせるようにしたい。まずもう一度、大関に復帰してさらにその上を目指したい。今年5場所、2桁星以上で存在感を示したい。今、番付が下がったのはプラスに考えて。伸びしろがあると見つめ直して、もっと強くなれると思ってやっていく」と誓った。