自転車・梶原悠未が日本人初の世界女王!五輪決めた 東京金へ「自信もってやる」

 「自転車トラック・世界選手権」(28日、ベルリン)

 4種目の合計点で争う中距離の女子オムニアムで梶原悠未(22)=筑波大=が金メダルを獲得し、この種目の五輪出場1枠の獲得を決め、自身の代表初選出を確実とした。日本人の世界選手権優勝は1987年のスプリントを制した俵信之とケイリンの本田晴美以来、33年ぶりで女子は初の快挙となった。

 日本初の世界女王誕生だ。世界選手権の優勝者のみに与えられるマイヨ・アルカンシェルを、梶原が表彰台の中央でまとった。「ジュニア時代は着られなかった。エリートでは着たいとずっと思っていた。これから守り続けていきたい」。W杯で今季2勝、通算4勝をマークしている世界ランキング2位の実力者が、ついに世界の頂点に立った。

 4種目とも「強い」の一語に尽きた。7・5キロを走り着順を競うスクラッチは勝負どころで仕掛けた選手に付いて行き、直線鋭く追い込み1着。続く周回ごとに1位にポイントが付くテンポレースは強豪のライバルとうまく逃げてグループを形成し、2着となった。

 ヒヤリとさせたのは3種目、最下位選手が1人ずつ脱落するエリミネーション。終始、安全圏を維持していたが残り6選手になったところで接触による落車。レース全体が一時中断した。負傷した左腕は「10段階で言えば8の痛み」と言いつつ、自転車交換が行われると何事もなかったかのようにレースへ復帰し、3着に食い込んだ。

 「(チームスタッフが)すぐに走る準備をしてくれたし、まずは落ち着いて呼吸を整えた。走れる状態だったので、一つでも上の順位を取ろうと思った」。総合1位、2位とは20点の大差で迎えた最後のポイントレースは総合2位のイタリア選手の動きを徹底マークしながら、自ら前半からポイントを取りにいった。

 昨年は3位と同じ点数ながら、最終種目の着順により4位。惜しくもメダルを逃した悔しさが1年後の雪辱につながった。「全ての部分を強化するためにプログラムを組んでやってきた。二つの目標のうちの一つをクリアできた」

 もちろん、もう一つの目標は東京五輪の金だ。「自信を持ってやっていきたい。私の武器のスピードを何回でも出せるように、インターバル能力を高めていく」。東京五輪最終日の8月9日、静岡・伊豆ベロドロームで、さらに強くなった世界女王が表彰台の中央に再び立っているはずだ。

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