「東京マラソン」（１日、東京都庁～東京駅前）

　東京五輪代表選考会を兼ねて行われ、日本記録保持者の大迫傑（２８）＝ナイキ＝が日本記録を更新する２時間５分２９秒でゴール。日本人トップとなる４位に入り、東京五輪最後の１枠に大きく前進した。序盤から３０キロ付近まで先頭グループの日本人トップでレースをけん引した井上大仁（２７）＝ＭＨＰＳ＝は、２時間９分３４秒で２６位に終わった。

　第１グループのペースメーカーは、２時間３分でのゴールを想定した１キロ２分５５、５６秒というハイペース。外国人に混じって日本人トップで３０キロ過ぎまでレースをけん引したが、３２キロ付近で突然失速した。

　「いっぱいいっぱいだった」と振り返った井上だが、その表情はすがすがしかった。「腹をくくっていったんで悔いはない。（準備に）自信はあったので、ついていくという気持ちと覚悟は持っていけた」と自ら選んだ道で、３２キロ過ぎに大迫に追いつかれて力尽きた。

　「ペースが相当きつかった。（ペースが上下したことも）乗り越えていかないといけない。その辺りもふまえて今の実力」と結果を受け入れた井上。自身を追走して日本記録を出した大迫に「五輪に出るにふさわしい選手で、すばらしい走りだったと思う」と脱帽した。

　今レースでは、日本人８位の高久龍（ヤクルト）が２時間６分４５秒、９位の上門大祐（大塚製薬）が２時間６分５４秒を出した。自己記録２時間６分５４秒の井上は「３強、４強の時代は終わりました。また１から狙っていくので頑張ります」と気持ちを新たにしていた。