ボクシング・岡沢セオンが五輪王手 次戦はリオ8強と「強い気持ちで、とにかく勝つ」
「ボクシング・東京五輪アジア・オセアニア予選」(6日、アンマン)
女子フライ級で昨年の世界選手権ベスト8の並木月海(21)=自衛隊=がモンゴル選手を5-0の判定で下した。9日の準々決勝で勝てば五輪出場権を獲得する。6日は男子ウエルター級の岡沢セオン(24)=鹿児島県体協=が初戦の2回戦で台湾選手に5-0で判定勝ち。こちらも勝てば五輪出場権獲得となる8日の準々決勝に進出した。女子1回戦では、ウエルター級の鬼頭茉衣(中京大大学院)がウズベキスタン選手に、ミドル級の津端ありさ(西埼玉中央病院)が韓国選手にともに判定負け。この予選での五輪出場権獲得はならなかった。
根っから陽気な24歳の岡沢も大事な初戦に緊張を隠せなかった。格下相手の薄氷を踏む勝利に「これまでの海外の試合とは全然違う。勉強になった」と五輪を目指す厳しさを実感した。
ガーナ人の父を持ち、軽快なステップでアウトボクシングを展開するサウスポー。しかし、生命線の右ジャブを当てるための踏み込みが甘く左も思うように使えなかった。最終3ラウンドにプレッシャーをうまくかけて勝利を引き寄せたが、修正点は多く残った。
「今まで『勝ちたい』という気持ちだったのが、五輪予選で『勝たないといけない、負けたくない』となっていた」と明かした。
アマチュアボクシングの魅力を伝えることを生きがいに、東京五輪は最初のアピールの場と捉えている。その一歩を踏み出すための準々決勝で、リオデジャネイロ五輪ミドル級ベスト8のビカス(インド)と闘う。格上といえる状況にも「強い気持ちで、とにかく勝つ」。挑戦者として大一番に向かう。