八角理事長が初日挨拶「世の中に平安を呼び戻す」 四股による邪気退散にも言及
「大相撲春場所・初日」(8日、エディオンアリーナ大阪)
史上初の無観客での本場所が行われる中、観衆のいない静かな館内の本土俵で、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)らによる初日の挨拶が行われた。新型コロナウイルスについて織り込まれた従来とは異なる内容で、長さも通常よりも長く、丁寧に、全国のファンに呼び掛けられた。
八角理事長は冒頭で、無観客開催となった経緯を説明した。社会全体が新型コロナウイルス対策をとっていることや、また来場するファンに「ご迷惑をかけることは決してできない」ことを理由に決断したとあらためて語った。
それぞれの力士が難しい心境を吐露していたように、理事長も「気持ちを調えるのが難しい、非常に厳しい土俵となりますが」と触れた。その上で、「それでも全力士は全国各地で応援してくださっている郷土の皆様やファンの方々の歓声や声援を心に感じ、精いっぱいの土俵を務め、テレビでご観戦の皆様の期待にお応えすることと存じます」と思いを述べた。
また、古来より力士の四股についても「古来から力士の四股は邪悪なものを土の下に押し込む力があると言われてきました。また、横綱の土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安を祈願するために行われてきました」と言及。日本全体を意識して「日本はもちろん、世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう、協会員一同、一丸となり15日間、全力で努力する所存であります」と決意を新たにした。