レスリング悲運の五輪落選、決定戦延期後に右膝重傷…再延期は認められず
「レスリング・東京五輪代表決定プレーオフ」(8日、味の素ナショナルトレーニングセンター)
2階級で行われ、男子フリースタイル74キロ級は、19年世界選手権5位の奥井真生(24)=自衛隊=が、19年全日本王者の乙黒圭祐(23)=自衛隊=に2-5で敗れて五輪切符を逃した。
奥井は悲運に泣き、五輪代表の座を逃した。世界選手権ではメダル=五輪代表内定を逃したものの、5位に入って出場枠は獲得。優勝すれば内定が決まった全日本選手権では2回戦敗退に終わり、同大会を制した乙黒とのプレーオフで決着をつけることになった。
プレーオフは当初、2月1日に行われる予定だった。しかし、全日本選手権で乙黒が足首を負傷したため、3月8日の実施が決まった。ただ、その直後に奥井が練習中に右膝の前十字じん帯を損傷。再延期を求めたが、日本協会からは再延期を認められなかった。
本来であれば手術が必要な重傷のため、仮に再延期したところで完治は見込めなかったものの、負傷から4週間という短いスパンではコンディションを整えられなかった。それでも奥井は「決めたのは自分なので。(けがを)言い訳にはしたくない。それ(再延期ができないこと)は本当に関係ないので」と首を横に振った。ただ、けがをした後の応援に応えられなかったことが心残りで「恩返しできず悔しいです」と男泣きした。
同じ所属の後輩である乙黒とは寮も隣の部屋同士だという。代表の座を譲ったものの、好漢は悔しさを押し殺し「出るからにはみんなの思いも背負って金メダルを獲ってほしい」とエールを送った。