【記者の目】透明性際立つ新選考方式…五輪成績が“存続”のカギに

 「名古屋ウィメンズマラソン」(8日、ナゴヤドーム発着)

 男女マラソンの東京五輪日本代表の最終選考会が行われ、女子は名古屋ウィメンズで一山麻緒(22)=ワコール=が大会記録を塗り替える日本歴代4位の2時間20分29秒で優勝。1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)がマークした2時間21分47秒を切り、最後の3人目の代表に決まった。男子はびわ湖毎日で、1日の東京で大迫傑(28)=ナイキ=が樹立した2時間5分29秒の日本記録を更新する選手は出ず。大迫の代表入りが決定し、計6人が出そろった。

 ◇ ◇

 東京五輪のマラソン代表選考会を終え、あらためて感じたのが透明性の高さだ。昨年のMGCで上位2人を決め、残る1枠を巡るMGCファイナルチャレンジの条件も明確。選手は基準となるタイムを突破し、かつ最速という条件をクリアすれば良かった。

 名古屋とびわ湖毎日で言えば、クリアした選手が出なければ松田、大迫という具体名が示されていただけに、もめる理由もない。松田の心情は察するに余りあるが、規則なら受け入れざるを得ない。

 もっとも、今回の方式が継続される保証はない。前回まで複数の選考会から選んできた長い歴史がある。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「もし許されるのなら続けていった方がいいかなと思う」と口にし、河野匡長距離マラソンディレクターは「レガシー(遺産)として残していかなければならない」と訴えたが…。

 地元五輪への盛り上がりへ一石を投じた今回の選考。何より本番での結果が“存続”への大きなカギを握っている。(デイリースポーツ・高橋伯弥)

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