御嶽海が3連勝!ライバル正代に雪辱 無観客もマイペース「もう1回上目指す」
「大相撲春場所・3日目」(10日、エディオンアリーナ大阪)
平幕御嶽海が関脇正代を押し出して3連勝を飾った。19年秋場所に関脇で2度目の優勝を果たして大関とりに挑んだが、その後は自身初の2場所連続負け越しと失速。新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客開催となった場所で好スタートを切り、「もう1回上を目指して頑張りたい」と誓った。横綱白鵬、大関昇進に挑む関脇朝乃山は3連勝とした。
自分の相撲を貫いて同年代のライバルに雪辱した。御嶽海は立ち合いで素早く左を差すとグイグイ前進。右に回った正代に食らいつき、休まず攻め続けて押し出した。
「自分の相撲を取れた感じじゃないですか。相手もそうですけど、自分も我慢して前に前に出られたと思う」と満足顔。対戦成績はこれで10勝8敗で、先場所は敗れているが「何回もやっているので、先場所のことは考えなかった」と話した。
「ゼロから、一からやるしかない」と、挫折からの出直しをかける今場所。19年秋場所で優勝したが、翌九州場所の3日目に右目上を6針縫う裂傷を負ってから3連敗を喫して大関とりに失敗した。続く初場所もらしさを取り戻せず、初の2場所連続負け越しを経験。そこから「自分の相撲を見つめ直した。自分は押し相撲しかないので押しをできるように」と修正し、3連勝につなげた。
直近3年は常に正代の上にいた番付も、正代が初場所で準優勝したことで逆転を許し、「しっかり、もう1回上を目指して頑張りたい」と誓う。体の動きは「悪くないと思う」と手応えを感じているが、「まだまだ3日目なので」と表情を引き締めた。
無観客の静けさの中で違和感を口にする力士も多いが、「変わらず自分のペースで相撲を取れていると思う」と動じていない。得意の押し相撲のごとく、再び前へ前へ突き進む。