白鵬、無傷4連勝 3・11横綱“宿命”の誕生日「東北に勇気、頑張る思いになれば」

 「大相撲春場所・4日目」(11日、エディオンアリーナ大阪)

 3・11東日本大震災から9年、横綱白鵬が幕内隠岐の海を上手投げで下し、35歳誕生日を無傷4連勝で飾った。横綱として宿命を背負う誕生日は震災以降、出場6度で負けなしの全勝。被災地を鎮魂、そして感染拡大する新型コロナウイルスの沈静を願い、横綱土俵入りではこん身の四股を踏んだ。大関とりの関脇朝乃山は小結北勝富士をすくい投げで下し4連勝。全勝は白鵬、朝乃山、平幕御嶽海、隆の勝、石浦、碧山の6人。

 35歳誕生日、無観客の土俵には拍手も祝福もない。白鵬はかけ声のない横綱土俵入りに全身全霊を込めた。こん身の不知火型。四股で邪気を鎮めた。

 「(TVで)何千万人が見ていることを意識して土俵入りを続けている。(土俵入りが)終わった後にわっと汗をかいている」

 八角理事長(元横綱北勝海)は初日の協会あいさつで訴えた。「大相撲の持つ力が世界中の方々に勇気や感動を与え世の中に平安を呼び戻す」。神事としての国技を誰より体現してきたのが白鵬だ。

 9年前の3・11、東日本大震災が発生。「9年間喜んでいいのか、という思いはあった。特に今年はコロナウイルスが重なった」と複雑な思いだった。

 横綱として背負う誕生日の宿命。震災後の6月には被災地を慰問行脚した。「悲しい思いをした方、今も傷は癒えないと思う。東北に勇気、頑張る思いになれば」。震災以降、出場6度は全勝。鎮魂星を今年も捧げた。

 「35歳で相撲を取っていることは幸せ」。35歳5カ月、横綱最年長優勝(1958年以降)の千代の富士も視界に入って来た。

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