サーフィン五十嵐カノア ボルトのように金かみたい!名前の由来はハワイ語で「自由」

 東京五輪新種目のサーフィンで金メダル候補に挙げられるのが、五十嵐カノア(22)=木下グループ=だ。2016年に世界最高峰のチャンピオンシップ・ツアー(CT)に初参戦すると、19年5月のCT第3戦ではアジア人初優勝を遂げて世界中の注目を集めた。競技初の金メダリストを目指す五十嵐が、五輪への熱い思いを語った。

  ◇  ◇

 -五輪イヤーに突入した。

 「今年のメインフォーカスはオリンピックの金メダル。去年より30%サーフィンがうまくなったと思うし、自信がもっとある。100%集中することで、頑張ります」

 -サーフィンは五輪新種目。競技初の五輪王者になった後やりたいことは。

 「金メダルをかむやつ。(特に憧れるのは陸上男子100メートル、200メートル3連覇の)ウサイン・ボルト。そういう感じでかんでみたい」

 -日本代表として臨む東京五輪。

 「ホームカントリーなので見てる人も多いと思う。見てる人が多い方が、自分も楽しめるし、皆の前でサーフィンすることがモチベーションになる。すごい楽しみ」

 -緊張しないのか。

 「プレッシャーがないと力が出ないし、モチベーションが出ない。(五輪では)プレッシャーを使って勝ちたい。でもプレッシャーがありすぎると力が出過ぎちゃうから、コントロールもすごく大切。バランスなのかなと」

 -サーフィン生活を支えた家族の存在について。

 「ほんとに感謝の思いでいっぱい。子供の時から100%、サーフィンに力を入れてくれた。大会に連れて行ってくれたり、新しいサーフボードを買ってくれたり、ちょっとしたサポートでここまで来られた。朝早く起きて、大会に連れて行ってくれることは大変だったと思う。一生忘れないし、ありがたいと思います」

 -日米両国籍を持っていたが、18年に日本選手として戦うことを選択した。

 「子供の時から日本代表という意識でやってた。17歳、18歳ぐらいで旗(国旗=国籍登録)のことがいろいろ大切になってきて、決めないといけない時に日本に決めて、気持ちが良かった」

 -試合ではネックレスを2つ身に着けるなど、ファッションも気にかける。

 「イメージを自分でつけたいなと思って、普通の人よりもちょっとこだわりがある。写真を見た時に、ネックレスを着けてれば『あ、これカノアだ』って。前までは1個だけだったんだけど、皆がまねし始めて2個にした。(ネックレスは)両方ともロサンゼルスの『IF & Co.』ってブランド」

 -日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語の5カ国語を操る。その中で好きな言葉は。

 「ポルトガル語で『Liberdade』って言葉がすごい好き。英語では『Freedom』。僕の名前の『カノア』は、ハワイ語では『Freedom』って意味。強い意味があって、めったに使わないけどすごい好き」

 -名前の「カノア」について。

 「自分でやりたいことができる。子供の時から大人の周りにいつもいたから、大人っぽくしてた。『12歳なのにちゃんと子供っぽくしゃべらないようにしないと』とか。勉強になったこともいっぱいある。それもフリーダムってこと。お父さんとお母さんから習うよりも、世界から勉強した」

 -サーフィンは自由になれる。

 「海に入ってる時は自由。考えることはサーフィンしかないので。サーフボードと、海と、周りにいる友達ってほんとにシンプル。携帯(電話)もないし、海の中は何もない。普通のビジネスマンだったらオフィスに入ってドア閉めて、コンピューターで集中する感じ。サーフィンはオフィスって感じ。それがなんか気持ちいい」

 -東京五輪の金メダル以外の夢は。

 「ロールモデル(規範となる人)になるのが夢。若くても世界のトップのアスリートと一緒に戦えることを伝えたい。僕も17歳でワールドチャンピオンシップ・ツアー(CT)に入った時には、皆から『こんな子がケリー・スレーター(サーフィン界の帝王)と戦えるわけがない』とすごい言われた。でもそういうところからモチベーションが出た」

 -自身のロールモデルは。

 「(元イングランド代表、デービッド・)ベッカム。サッカーを引退してるのに、それでもまだサッカーのためにサポートしてることはすごい。自分のサーフィンを引退してからでもサーフィンにギブバック(恩返し)したい」

 -理想の将来像は。

 「サーフィンのプロフェッショナルだけじゃなくて、ワールドアスリートとして見てもらいたい。ワールドチャンピオンやオリンピックメダルだけじゃなくて、いいメッセージを伝えて、子供たちにインスピレーションすることも夢。オリンピックを使ってそういうメッセージを伝えたい。まだまだ22歳。時間はあると思うので、楽しみです」

 ◆五十嵐カノア(いがらし・かのあ)1997年10月1日生まれ。米カリフォルニア州サンタモニカ出身。両親は日本人。3歳でハワイの波に乗り、世界的に有名なハンティントン・ビーチで腕を磨く。16年に世界最高峰のチャンピオンシップ・ツアー(CT)に初参戦。19年5月の第3戦コロナ・バリ・プロテクテッド(インドネシア)でCT初制覇。同年のCTランクは自己最高の6位。勝負飯は両親の作るチキンカツ。木下グループ所属。180センチ、78キロ。

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