IOC会長が東京五輪開催へ「連帯」呼び掛け 各国の選手代表との電話会議で
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は18日、新型コロナウイルス感染拡大で東京五輪予選の中止が相次いでいる事態を受けて各国・地域の選手代表220人と約2時間の電話会議で意見交換し「連帯」を呼び掛け、7月24日開幕の大会開催へ理解を求めた。
日本からは日本オリンピック委員会(JOC)アスリート委員で、12年ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体銀メダルの千田健太氏が会議に出席。質疑は約1時間20分で40以上の質問が相次ぎ、JOCは日本入国後の感染症対策や選手選考の公平性について選手側から不安の声も出たことを明らかにした。東京五輪の延期や中止、無観客での実施の可能性に関する質問、選考の公平性担保や練習ができないことへの対策を問う声も上がったという。
外出や渡航の制限で練習環境は悪化し、一部の選手やIOC選手委員から批判も出ている中、バッハ会長は「予選方式や制約に関する多くの質問を受けた」と説明。「未曽有の事態。最優先は選手の健康」としつつ「東京への道を検討することは非常に建設的であり、まだ4カ月以上ある。選手の利益のため責任を持って対応する」と延期や中止の可能性には言及しなかった。
19日にはJOCなどアジア各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)代表者と電話会議を開き、東京五輪の7月24日開幕方針を再確認した。出席者によると、約40のNOCが参加し、会議の最後にバッハ会長が「(IOCの)方針について、全NOCから賛同を得た」と総括した。