ボート冨田千愛&荒川龍太、Vも先行き見えず… 4月上旬各国の枠発表も決定方法未定

 女子軽量級シングルスカル決勝で1位の冨田千愛
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 「ボート・日本代表候補選考レース」(22日、戸田漕艇場)

 軽量級女子シングルスカルは冨田千愛(26)=福井県スポーツ協会=が1位、大石綾美(28)=アイリスオーヤマ=が2位となった。男子シングルスカルは荒川龍太(25)=NTT東日本=が制した。新型コロナウイルスの感染拡大で5月の世界最終予選とアジア・オセアニア予選が中止となり、代替レースもなし。先行き不透明な状況に、選手からは困惑の声が聞こえた。

 夢舞台の開催すら分からない現状に、困惑の色は隠せない。その中、選手はただ懸命にオールをこいだ。

 本来はこの日決まった日本代表が5月の世界最終予選とアジア・オセアニア予選で出場枠確保を目指すはずだった。だが、国際ボート連盟(FISA)は両予選の中止を決定。IOCとFISAは代替レースを設けず4月上旬に各国の枠を発表するとしているが、その決定方法は未定だ。

 今は全てが不透明。日本は最低でも開催国枠でシングルスカル男女各1枠のみ付与されることが決まっているが、男子シングルスカルの荒川は「急に前が見えなくなった感じ」。軽量級女子の冨田も「この先どうなるんだろうという懸念はあるけど、コントロールできないことなので」と複雑な思いを語った。

 万一、五輪の延期が決まった場合、今回の選考はどんな意味を持つのか。選手からは「出たい気持ちだけではどうにもならない」「人の命が関わること」などの声が聞こえたが、言葉にできない複雑な思いがにじんで見えた。

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