聖火リレー、一般参加取りやめへ 規模大幅縮小…ランタンに聖火車両で運ぶ案も
新型コロナウイルスの感染拡大で国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の延期を含めた検討を始めたことを受け、大会組織委員会は23日、福島県楢葉町のサッカー施設「Jヴィレッジ」から26日にスタートする聖火リレーについて一般ランナーの参加を取りやめるなど大幅に規模を縮小する方向で調整に入った。聖火はランタンに入れて車両で運ぶ案などが検討されている。
組織委の武藤敏郎事務総長は23日の会見で「26日に福島をスタートする計画に変更はない」と述べた。1カ月程度の措置とし、その後は状況を踏まえて検討する。各日のゴール地点で行う式典「セレブレーション」で聖火を展示する案などが出ている。当初の計画通りの実施は大規模イベントの自粛を求める政府の方針にそぐわないと判断した。
五輪が通常開催された場合、聖火は7月24日の開幕を目指し、121日をかけて47都道府県の859市区町村を回ることになっている。1人が約200メートルを受け持ち、約1万人がつなぐ。もし、スタート後に延期が決まった場合の取り扱いについて、武藤事務総長は「慎重に検討し、合理的な結論にもっていきたい」と説明した。
組織委の森喜朗会長によると、福島でのスタートに立ち会う意向だった安倍晋三首相は「政府から集会をできるだけ控えてほしい」としている中で、「自分が出席するのはいかがなものか」と欠席も想定しているという。新型コロナウイルスの先行きが不透明な中、聖火はひとまず発車する。