聖火リレーも中止 20日に日本に到着したばかり…一夜で急転白紙に
東京五輪・パラリンピック組織委員会は24日、新型コロナウイルスの感染拡大で大会が延期されることに伴い、26日から福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」からスタート予定だった聖火リレーを中止すると発表した。聖火は当面、福島県内に保管。新たな日程が決まれば、予定していた121日の日程で同じ走行区間、ランナーを念頭に聖火リレーを行う。
大会の延期に伴い、聖火リレーも中止が決まった。IOCとの電話会談後、会見した組織委の森喜朗会長は「聖火はこの困難なときにおいて、世界の希望の道しるべとなる願いを込めて、日本にとどまることについても合意した」と説明。安倍首相の提案で、聖火は当面、福島県内に保管される。
聖火リレーは26日にJヴィレッジをスタートし、7月24日の開幕を目指して、121日をかけて47都道府県を回る予定だった。日程、走行区間、約1万人のランナーも決まっていた。再開後のリレー方法について、組織委の武藤敏郎事務総長は「変えたいとは特に考えているわけではない。現状の姿を尊重していく。これは通常の発想」と話し、想定していた内容で行う。
20日に宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地に到着した聖火。東日本大震災の被災地を巡回する「復興の火」はこの日、福島市のJR福島駅東口で展示された。25日には福島県いわき市で展示され、26日にJヴィレッジでスタートを迎える予定だった。
武藤事務総長は「大会の期日が決まれば、今までのルート、今までの聖火ランナーが基本的に尊重される形で新たにやっていく。そのときはコロナウイルス問題が克服されて、沿道で多くの方々に応援を得ながら元気に聖火リレーができる、と祈念している」と期待を寄せた。五輪の象徴は再開の日を待ち、しばしの休息に入る。