柔道は五輪代表見直しの可能性も…4月丸山対一二三は決行後、再選考議論へ
東京五輪の1年の開催延期が決まったことを受けて、全日本柔道連盟(全柔連)の中里壮也専務理事が25日、都内で取材に応じた。全日本選抜体重別選手権(4月4、5日・福岡)は予定通り男子66キロ級の五輪代表最終選考会として実施するものの、その後、既に代表が決まっている13階級を含めて、選考を見直す可能性について「これから議論することにはなる」と否定しなかった。
全柔連は東京五輪に向けた大会本番への準備期間を確保するため、4月の最終選考会を待たずに、2月の欧州大会が終わった時点で14階級中13階級で代表を決めた。
唯一決まっていない男子66キロ級は、19年世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(日体大)が肉薄。ただ、コロナ禍による五輪延期が決定し、4月の最終選考会の可否が注目されるが、全柔連としては理事会で選考規定を変更する時間がないことから、中里専務理事は「予定通り実施するしかない」と説明した。
しかし、今夏の五輪開催という大前提が崩れた状況で、柔道は全階級で金メダルを狙える金看板だけに、海外勢の勢力図も変化する中でより高みを目指すため、代表再選考を推す意見が噴出する可能性もある。一度表に出している選考規定を現時点で覆すことは難しいが、中里専務理事は「(規定の)リーガルチェックもした上で、理事会で議論することになる」と説明。14階級の代表が出そろい、延期時期も正式に決まった後、法的に問題がない場合は再選考を検討する可能性を認めた。
一方、男子60キロ級で五輪代表に決まっている高藤直寿(パーク24)はツイッターを更新し、「代表選考がやり直しになったらさすがに無理。一度(代表に)決まった選手と決められなかった選手が(再度)試合するのはメンタル面でアンフェア」と、選考見直しについて異論を唱えた。
ただ、今回ばかりは五輪延期という史上初の異常事態。代表選考において公平性を重視するか、1年後を見据えた強化を重視するか。難しい決断が迫られる。