一二三VS丸山の最終決戦凍結 6月以降の開催目指すも「難しい」ワンマッチ案も浮上
全日本柔道連盟は27日、男子66キロ級の東京五輪代表最終選考会を兼ねる全日本選抜体重別選手権(4月4、5日・福岡)の延期を決めた。19年世界王者の丸山城志郎(26)=ミキハウス=と17、18年世界王者の阿部一二三(22)=日体大=の最終決戦となる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により、大会1週間前での断念となった。代替日程・会場は未定だが、全柔連の中里壮也専務理事は6月以降の開催となる見通しを示した。
柔道界一の注目カードが“凍結”となった。世界王者同士による五輪代表争い最終決戦は、無観客開催の方針から一転、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大で延期が決定。東京五輪が延期となった上に、選手や関係者の多くが拠点を置く東京都が外出自粛を要請するなど情勢が悪化しており、大会直前の1週間前での延期を決断せざるを得なかった。
延期を受け、両者はコメントを発表。事態が収束するまで、中ぶらりん状態で準備を続けることになるが、丸山は「改めて決められた選考会で100%の自分で臨めるように取り組んでいく」と変わらぬ決意を示し、阿部も「もっと強くなるための準備をする時間が増えた。目標である東京五輪優勝に向け、いつでも戦える準備をしていきたい」とした。
延期時期について、全柔連の中里専務理事は少なくとも6月以降となる見通しを示した。ただ、今秋以降には講道館杯やグランドスラム東京大会などの日程が詰まっている。「9月までにはやりたいが、調整は難しい」と頭を抱えた。
一方、既に内定している13階級の五輪代表の処遇について、全柔連は再選考の可能性も含めて4月中旬の常務理事会で決める方向だ。66キロ級についても今回延期となったことで、まずは代表選考の方向性が固まるのを待ってから改めて実施するが、場合によっては、丸山対阿部のワンマッチによる選考会を行うプランも浮上しているという。過去に丸山4勝、阿部3勝という屈指の好カード。どんな形であれ、コロナ禍にも惑わされず、両者が全力を尽くせる形が望ましい。