再び東京五輪「招致疑惑」 再出発の日に…贈り物は認めるが賄賂は否定

 ロイター通信は3月31日、東京五輪・パラリンピックの組織委員会理事を務める広告代理店電通元専務の高橋治之氏が、五輪招致を巡り招致委員会から820万ドル(約8億9千万円)相当の資金を受け取り、国際オリンピック委員会(IOC)委員らにロビー活動を行っていたと報じた。

 高橋氏はロイターに対し、招致委の支払いの一部は五輪招致のスポンサー集めに自身が果たしたことに関する「コミッション(手数料)」だったと説明。また、五輪招致疑惑でIOC委員だった際の収賄容疑が持たれているラミン・ディアク世界陸連前会長(セネガル)にセイコーの腕時計やデジタルカメラなどの贈り物をしたことを認めたが、賄賂を渡すなど不適切なことはしていないと強調し、「安いんだよね、セイコーの時計」、「彼らのような人に会いに行くのに手ぶらではいかない。それは常識だ」と話したという。

 五輪招致疑惑は、フランスの捜査当局が調べており、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和前会長が贈賄の疑いで本格捜査の対象となった。竹田氏は容疑を否定している。招致委の銀行口座記録は日本側がフランス当局へ提出しているが、当局は招致委から支払いを受けた日本人の事情聴取はまだ行っていないとされる。

 また、ロイターは当時、招致委から大会組織委員会の森喜朗会長が代表理事・会長を務める非営利団体にも約1億4500万円が支払われていたとも報じた。森会長はこの日、集まった報道陣を一瞥(いちべつ)し「今日は何もない。口を閉じちゃう」と話し、マスクを着用し、組織委を後にした。

 史上初となる五輪の延期が決まり、1年後の新日程が3月30日に決定したばかり。仕切り直しの祭典は再スタートの日に、再び疑惑に覆われた。

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