丸山VS一二三の選考方式、GW明けへ先送りに…両陣営は冷静 内定者処遇も先送り
全日本柔道連盟(全柔連)は13日、新型コロナウイルスの集団感染を受け、15日の常務理事会を5月7日以降に延期すると発表した。東京五輪代表内定選手の処遇や唯一代表が決まっていない男子66キロ級の選考方式を審議する予定だった。また、この日新たに職員4人の感染が判明し、東京都文京区の講道館内の事務局での感染者は16人となった。
全柔連が15日に予定していた常務理事会の延期を決めたことで、五輪代表内定選手の処遇と、男子66キロ級の選考方式の決定はゴールデンウイーク明けの5月7日以降へ先送りとなった。
常務理事会は当初インターネット会議で行う予定だったが、実務の中心である中里専務理事が罹患(りかん)した状態では十分な議論ができる保証がなく、会長、副会長、専務理事で協議し延期を決めたという。書面決議による臨時理事会も先送りされ、金野潤強化委員長によると15日の強化委員会も延期となったという。前例のない事態だけに同委員長は「選手には本当に申し訳ない。酷ではあるが、もう少し待ってもらうしかない」と理解を求めた。
他の多くの競技団体が代表内定者の来夏の五輪出場を保証する中で、柔道は選手が中ぶらりんの状態が続く。内定者はもちろん、丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(パーク24)が競り合う男子66キロ級は最終選考会の全日本選抜体重別選手権が延期となったまま、進展はない。
現場からは迅速な判断を求める声が複数上がっており、内定選手の所属先の関係者は「選手が振り回され、犠牲になっている」と不満を漏らした。
一方で丸山が拠点を置く母校天理大の穴井隆将監督は「この状況なので全て想定の範囲内。特に心境の変化はない」と受け止め、阿部を指導する母校日体大の山本洋祐部長は「事務局が全く機能していないから、仕方がない。誰も想定できない事態なので」と語った。