ラグビー協会・森会長インタビュー(1)もう一度日本でW杯を“子供たちのため”

 昨年のラグビーW杯日本大会で史上初めて8強進出を果たした日本代表がデイリースポーツ制定「2019年度ホワイトベア・スポーツ賞特別賞」を受賞した。ラグビー界を代表して、日本協会の森重隆会長(68)がインタビューに応じた。第1回のテーマは、19年W杯、そして自国開催もう一度。

 -W杯は「ONE TEAM」で躍進した。思い出に残ったシーンは。

 「特にスコットランドとのゲームがね。負ければベスト8にいけない、勝てばいける、引き分けならいけるという状況の中で、最初にトライされて…。あの時は本当に一生懸命応援した」

 -1次リーグ突破が決まった瞬間の気持ちは。

 「感無量というかすごかった。印象に残っているプレーは、やっぱりアイルランドの試合でスクラムに勝って、具のガッツポーズ。きりがないけど、稲垣のトライも印象的だった」

 -スコットランド戦の前に台風が来て、ボランティアの方々がスタジアムを使えるようにした。チームだけでなく日本中がONE TEAMになった。

 「もちろんそう思います。カナダとナミビアの釜石の試合(台風で中止)でも、カナダの選手が(土砂処理などのボランティアを)手伝ったみたいなところから、W杯の意義、おもてなしのホスピタリティーとか、そういうものが通じるのだなと。彼らもそう感じたのではないですか」

 -会長の言葉もインパクトを残した。盛り上げましたね。「スコットランド、ボコれ」とか。

 「僕が言ったんじゃないですよ。リーチの言葉ですけど、って言ったんですけど。『会長が“ボコる”はないでしょう』って言われて、『オレは言ってない』って(笑)」

 -でも、会長自ら発信力があるというのは1つのチームとしていいと思います。

 「会長とか、要するに一番上が日本代表のことを思っていないと伝わらないですよ。それは現場に行って、やっぱり『お疲れさん』とか言うのが基本だと思います。どんな団体でも」

 -いるだけ、ではなく当事者意識を持つというか。

 「豊田章男さん(トヨタ自動車社長兼CEO)とかね、現場に行って『頑張れよ』とか言えることが一番大事だと思うんですよね」

 -現場と近いスタンス。

 「そうですね。何もその人たちを元気づけようじゃなくて、そういう気持ちじゃないと務まらない気がする。それはやっぱり釜石なんかで教わりましたね」

 -会長は、再び日本でW杯をやりたいと、具体的に何か動きは。

 「まだ全くない。このコロナで。逆に言うとティア1のチームがこのW杯を機にアジアのラグビーの盛り上がりというのはすごいと。日本を中心に。それを認識させただけですごい。世界に発信できたというのが何よりだった」

 (続けて)

 「ただ、僕がこだわっているのは、W杯はあれだけ子供たちが見てくれて、そういうのをもう一回味わわせたい。僕も東京五輪の時は中学1年生だったんですよ。それで、こんな大会があるんだと思って、今度、東京五輪でしょう。残念ながら延期になったけど。僕が中学1年に感じたことをもう一回やらせてあげたい。非常にハードルが高いですけど」

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