追加経費問題は平行線 IOCと組織委でけん制 森喜朗会長「考えてもらわないと」
1年間の延期が決まった東京五輪・パラリンピックについての国際オリンピック委員会(IOC)と、組織委員会の幹部会議が16日、テレビ会議方式で行われ、会議後、IOCのジョン・コーツ調整委員長、クリストフ・デュビエグゼクティブディレクター、組織委の森喜朗会長、武藤敏郎事務総長が会見した。
大きな焦点となるのは、6000億円ともいわれる大会延期コスト。先日、IOCのトマス・バッハ会長がドイツメディアに「IOCは数億ドル(数百億円)の追加負担に直面するだろう」と話していたが、コーツ委員長は「これは多くのIF(国際競技連盟)、NOC(各国五輪委員会)が厳しい財務状況に立たされていることに言及したもの。そういうことにまつわる追加コストについて、IOCは救う」とし、大会経費についてではないとし、火消しした。
森会長は「これから精査しなければならないが、原則的には我々ができることはやる」とした上で「延期というかつてない大きなことに対して、どのように費用が掛かるのか。IOCもともに考えてもらわないといけないところも出てくる」と話し、けん制し合う形となった。
会議では21年大会開催までのプロセスを協議する会見に出席した4人を中心とした委員会を設立。20年大会の運営計画(会場、競技スケジュール)について、延期しても踏襲することが望ましいこと、この考えにのっとり、日本側は各会場所有者に21年開催日程における使用を要請し、それに向けた準備への誓いを求めること。またサービスレベルの水準の最適化、合理化を検討し、延期コスト削減を図ること、新型コロナウイルスについての対応策を大会運営計画に盛り込むことなどを確認した。