IOC、追加費用払いません!?コーツ委員長“バッハ発言”を火消し

 国際オリンピック委員会(IOC)と東京五輪・パラリンピック組織委員会の幹部によるテレビ会議が16日行われ、会議後にIOCのジョン・コーツ調整委員長(69)、組織委の森喜朗会長(82)らが会見した。IOCのトーマス・バッハ会長(69)が先日、延期に伴い「(IOCは)数億ドル(数百億円)の追加負担に直面するだろう」と発言したことについて、コーツ委員長はIF(国際競技連盟)などの厳しい財務状況に言及したものと説明。一方、森会長はIOCとの協調を口にした。

 追加費用を巡る考えは、双方がけん制する形となった。大会延期に伴う焦点は、3000億円ともされる追加のコスト負担。IOCのバッハ会長が先日、ドイツメディアのインタビューで「(IOCが)数億ドル(数百億円)の追加費用に直面することになるのは既に明らかだ」と発言した内容について、コーツ委員長が真意を解き明かした。

 「バッハ会長は多くのIF(国際競技連盟)、NOC(各国五輪委員会)が大変厳しい財務状態に陥っているという深刻な状況について言及していた。大会が延期され、パンデミックが襲っていることに由来している」と解説。その上で「追加コストは何かを精査しているところ。バッハ会長としてはIF、NOCがつぶれてもいいということはしない。必ず助けの手を差し伸べる、と意味していた」と続け、追加費用とは各組織の救済を指すものと強調した。

 追加経費について森会長は「精査しないといけない。私どもは原則的にできることはする」と発言。五輪史上初めてとなる大会延期を受け「どのように負担がかかってくるのか。IOCもともに考えていかなくてはいけない問題も出てくると思う」とし、IOCへの協力を呼びかけた。

 追加費用についてはIOC、組織委、国、東京都で負担していく方向だが、だれがどのような割合で負担していくかは今後の協議で決まる。コーツ委員長自身は追加コストについて「どういうものがあるか査定、評価をしていく」とし、「(スポーツを通じて世界の人々が手をつなぎ世界平和を目指す)五輪ムーブメントにかかわる追加コストということであれば、それは負担する」とも語った。

 この日の会議では大会開催へ、いかにコストを削減していくかを確認し合った。切り詰めていく中で、果たしてIOCがどれだけの額を負担するつもりなのか。腹の内はまったく読み取れない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス