五輪銀メダリストがUber Eats配達員 三宅諒「お金がないから」重い自己責任
フェンシング男子で12年ロンドン五輪男子フルーレ団体銀メダリストの三宅諒(29)=フェンシングステージ=が28日夜、フードデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の配達員のアルバイトを始めることを発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、スポーツ界は世界的にほぼ“停止状態”。日本経済の先行きも不透明な中、その影響は1年後の東京五輪を目指すアスリートにも影を落としつつある。
新型コロナウイルスの影響は、五輪メダリストにも容赦なく影を落としていた。三宅は28日夜に配信サイト「note」に「明日からバイト始めます」というタイトルの文章を投稿。「1番の理由は他でもなく、お金がないからなんです」と、率直に明かした。
これまではスポンサーを募り、活動してきたが、3社と契約満了。収入がゼロになった。三宅は3月下旬に自身のツイッターに日本協会からの海外遠征費の請求書を公開。前金も含めて67万円の自己負担に「これは高い。これは気合を入れないと続けられないな #突かれる心」と、苦しい懐事情を吐露していた。さらに五輪延期で代表争いも凍結され、先行きが不透明となった。「つまり『正直どうなるかわからない』。無責任にスポンサーを得ることは企業にとって良くないどころか自分にとっても、途方もないプレッシャーを掛けてしまう」と決断の理由を説明した。
ただ、夢は諦めきれない。29日からバイトを開始。配達員として体を動かすとともに「アスリート視点から追い求めてきた“結果”にとらわれてしまうことをやめて、企業側が求める“イメージ”について考えることができれば目的を達成できるのではないだろうか」と、発想の転換にも取り組む。自らの夢を1年後の舞台に運ぶため、今は人々のもとに料理を運ぶ。