バッハ会長も森喜朗会長も「来夏無理なら中止」発言に組織委は火消し 共通認識否定

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が21日、オンラインで取材対応した。

 国際オリンピック委員会(IOC)のトマス・バッハ会長は20日の英BBCによるインタビューの中で、新型コロナウイルスの影響で来年に延期された東京五輪・パラリンピックについて、21年の開催が無理ならば中止とする見通しを示したことについて、武藤事務総長は「報道で存じ上げているが、直接伺ったわけではない。直接的なコメントは控えたい」と、述べるに止めた。

 また、同インタビューの中で、安倍首相が1年の延期について「最後の選択肢」と強調していたと、バッハ会長が明かしたことについても「私は伺っていない。安倍首相は事情を勘案して、1年程度の延期を提案されて、バッハ会長が了承したと理解している」と、説明。延期を決定した3月24日のIOCバッハ会長と日本の安倍首相の電話会談の際、首相から「最後の選択肢」という発言はなかったのか?と問われると、「記憶の限りなかった」と、強調した。

 一方で組織委の森喜朗会長も、これまでに「来年が無理なら中止」という見方を示している。組織委とIOCの間で共通認識となっているか?との質問には「森会長は『それぐらいのつもりで準備していく』と強調されたと思う。バッハ会長も同時に『1年先のことを現時点で議論するのは控えたい』とおっしゃっている。私は共通認識はないと理解している」と、否定した。

 バッハ会長が理由として「組織委が3000人から5000人の職員を雇用し続けるのは困難」としていることについては、「そのような発言をされたことについては、決して理解できないわけではない」としたが、「まだ検討をしていないので」と、話した。

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