五輪組織委、IOC委員長の開催可否“10月期限”発言を完全否定「直接確認した」
東京2020組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が28日、オンラインで記者会見を行った。新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が開催可否を判断する期限が10月だとする旨の発言をしたことについて、同委員長に直接確認したといい、「開催可否は10月が“期限”だと報道されたことについては全くそういうことを申し上げたものではないと確認した。それだけは明確に申し上げておく」と完全否定した。
コーツ委員長は地元オーストリアン紙で22日までに、新型コロナウイルスのワクチンの開発・普及などの観点から再延期はできないとの考えを示し、来夏大会を実施できるかどうかを判断する上で10月が重要な時期になるとの見解を明らかにしていた。
これを受け、可否判断の10月期限と捉える向きがあることから、組織委はコーツ委員長に発言の真意を確認したという。武藤事務総長は「直接確認したが、『大会の可否』という言葉は全く使っていないと」と火消しした上で、今秋にかけて追加コストやコロナウイルスの状況などが明らかになっていくであろうことを挙げ、「大会開催にあたりどのような配慮、対策が必要か議論するタイミングがくると。それが(コーツ氏の)個人的見解として10月には…ということ」とコーツ委員長の発言趣旨を代弁。ただ、開催可否について「(判断の)期限について公式にタイムラインを持っているわけではない」と、具体的なタイムリミットがあるわけではないとも述べた。
組織委としても会場の確保やコスト削減、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発など、課題は山積している。来夏の開催に向けたロードマップを策定中だといい、「今年の秋から年末にかけて具体化し、来年の大会にどう落とし込んでいくか。まだ具体的なモノにはなっていないが、もう少し時間をいただきたい」と話した。