亡くなった勝武士さんは「ムードメーカーでした」高田川親方、語る
新型コロナウイルス感染のため、5月13日に28歳で亡くなった大相撲三段目力士の勝武士さんの師匠、高田川親方(53)=元関脇安芸乃島=が1日、日本相撲協会を通じ、思いを語った。
親方自身と弟子の十両白鷹山も感染し、入院、治療の末、回復。「このたびは大変ご心配をおかけしました。医療従事者のお力添えを得まして、健康状態もようやく回復いたしました」と報告した。
まな弟子を亡くしたことにショックは隠せず。「残念ながら、大切な家族であり弟子である勝武士が新型コロナウイルスによる多臓器不全で亡くなりました。医療機関が切迫した時期と重なっていましたが、相撲協会の対応もあって重篤化する前に入院できたので、元気で帰ってきてくれるものと信じておりました。しかし容体が急変し、1カ月以上の闘病の末、帰らぬ人となりました。私の体調回復を待っていたような最期でした」と、無念さをにじませた。
勝武士が中学1年時に声をかけスカウトした。「勝武士は相撲のみならず、初切(しょっきり)でも活躍したムードメーカーでした。私が部屋を興す前、彼が中学1年生の時に初めて会い、1番最初に声をかけたのが勝武士でした。『俺が親方の本当の一番弟子だ』といつもうれしそうに話していた顔が忘れられません」と個人の人柄をしのんだ。
部屋全員で悲しみを乗り越え、天国に奮闘を届ける。「誰からも愛される大事な家族を失った悲しみは言葉にできません。しかし前を向き、これからも勝武士と一緒に部屋一丸となって頑張っていこうと最期のお別れでみんなで誓い合いました。現在力士たちは意欲的にトレーニングに取り組んでおり、7月場所(7月19日初日、両国国技館)に向けて徐々に本格的な稽古を再開する予定です。最後に尽力してくださった医療従事者の方々、励ましてくださったファンのみなさまには大変感謝しております。本当にありがとうございました」と、支えてくれた方々へ感謝の気持ちを述べた。