フェンシング代表 遠征費の44%が選手負担 太田会長「まだまだ厳しい」
日本フェンシング協会は2日、公式ホームページで協会の運営に関わる財政状況についてQ&A形式で公表した。18年度の収支を例に、日本代表選手の海外遠征費約1・8億円のうち協会の負担は56%にとどまり、44%は選手が自己負担している現状を明らかにした。
今年3月には、12年ロンドン五輪男子フルーレ団体銀メダリストの三宅諒(29)がツイッター上で67万円を超える自己負担による遠征費の請求書を公開。それに対し、日本協会の太田雄貴会長(34)が「会長が不甲斐ないばかりに申し訳ない。会長の間に日本代表選手の遠征費を捻出できる仕組みだけは作りたい」と陳謝するなど、フェンシング協会の財政状況に関心が集まっていた。
この日公開された18年度の7・3億円程度の事業のうち、6割が強化遠征費。そのうち日本代表の海外派遣で1・8億円強かかっており、そのうち44%が選手の自己負担となっている。強化本部の試算によれば選手1人あたり遠征1回につき約37万円かかり、10回ならば370万円となる。自己負担額は各年度の補助金額や派遣人数、派遣先によって変動するというが、約4割が自己負担となっていることが明らかになった。
18年度の協会収入のうち、日本オリンピック委員会(JOC)などからの補助金が4割強で、チケット収入や選手負担などの参加者負担が3割、スポンサーからの広告収入が2割となっている。
日本協会はスポンサー集めに尽力するなど財政改革を進めている最中だが、太田会長はこの日のツイッターで「補助金依存からの脱却を目指して今日までやってきましたが、まだまだ道半ば、財政面は厳しい状態」と明かし、「そんな中、ご支援して頂いているスポンサー各社様に感謝しております。選手、親御さんにも負担かけて申し訳ないです」とコメントした。