自転車・脇本雄太、亡き母に“金”捧げる 日本競輪界の悲願達成へ「期待に応える」
日本自転車競技連盟は4日、オンラインで会見を行い、来夏に延期された東京五輪のトラック種目の代表6選手を発表した。短距離種目のスプリントとケイリンは、男子で16年リオデジャネイロ五輪代表の脇本雄太(31)が内定。日本発祥のケイリンで悲願の、また亡き母との約束でもある金メダル獲得を目指す。12年ロンドン五輪代表の新田祐大(34)と女子の小林優香(26)=いずれも日本競輪選手会=も代表に決まった。中距離種目はオムニアムの男子に橋本英也(26)=同、女子に梶原悠未(23)=筑波大院=を選出。女子マディソンは中村妃智(27)=日本写真判定=が梶原とペアを組む。
2大会連続出場となった脇本は「(東京五輪)開催が決まった時から出たい気持ちがあった。期待が大きいと思うのでしっかり応えていきたい」と喜んだ。ケイリンの発祥国である日本のメダルは08年北京五輪で永井清史(日本競輪選手会)が獲得した銅メダルのみ。「金メダルを取りたい気持ちを胸に頑張っていきたい」と、地元大会で悲願の頂点を目指す。
2月に行われた世界選手権では銀メダルを獲得。新型コロナウイルスの影響により東京五輪が1年延期となったが、「世界選手権銀メダルの修正が半年なら間に合わないが、1年なら間に合う」と準備期間が増えたことをポジティブに捉える。
高校から自転車競技を始め、2、3年時に国体1kmタイムトライアルを連覇。脇本の活躍を誰よりも喜んだのは11年に他界した母・幸子さんだった。「オリンピックを目指して。活躍するところを見たい」。初出場となった16年リオ五輪のケイリンでは1回戦敗退。敗者復活戦に回るも結果を残すことができなかった。
「リベンジの機会をもらった」と闘志を燃やす脇本。残り1年で「ほかと比べて最大パワーが低い部分があるので最優先で強化したい」と成長を図る。日本勢初の金メダル獲得とともに、亡き母と約束した「五輪でメダルを獲得して喜び合う」-。2つの目標を胸に、東京五輪に向けてペダルをこぎ続ける。