自転車・中村輪夢「出るからには1番」五輪BMX初代王者へ闘志、19年W杯年間王者
日本自転車競技連盟は9日、オンラインで会見を行い、来夏に開催される東京五輪のBMXに出場する代表選手4人を発表した。東京五輪の新競技、フリースタイル・パークの男子は2019年W杯年間王者の中村輪夢(18)=ウイングアーク1st=が内定。生まれ育った日本で初代王者を目指す。女子は大池水杜(23)=ビザビ=が選ばれた。レースの男子は16年リオ五輪に出場した長迫吉拓(26)=日本写真判定、日本女子初の代表には畠山紗英(21)=日体大=が選出された。
3年前の2017年6月9日、五輪新種目にBMXフリースタイル・パークの追加が発表された。「五輪に競技が入ってから、出るというのが1番の目標だった」。1つの目標を達成した今、中村が次に見据えるのは“初代王者”だ。
19年W杯で日本人初の優勝を果たすと、種目別で年間王者となった。優勝候補として五輪へと向かう中村は「出るからには1番目指して頑張る」と力強く語った。最大のライバルは昨年世界選手権で優勝したブランドン・ルーポズ(オーストラリア)だ。「仲良いので一緒に高め合って、五輪で2人とも良い結果を残す」と競技仲間との絆を見せる一面もあったが、挑むのは母国開催の大舞台。「声援を受けて今までなかったぐらいすごい走りをしたい」と王座を譲るつもりはない。
19年1月には京都府宇治市に世界最大級の専用パークがオープン。自粛期間中は同パークで「1人で黙々と(自転車に)乗っていた」とメダル獲得へ向け、着々と準備を進めた。新型コロナウイルスの影響で大会の中止や延期が相次ぎ、モチベーションが下がったこともあった。それでも五輪代表に内定したことで「今まで以上にいい練習を取り組めている」と話す。
今後の大会は未定だが「海外に行けるようになったら海外のトップの人とセッションして一緒に練習したい」とさらなる成長を図る。中村は「経験と練習を積んで最高の2021年にしたい」と意気込んだ。