IOC 五輪での人種差別への抗議を容認の可能性 アスリート委が表現方法検討
国際オリンピック委員会(IOC)は10日、テレビ会議方式での理事会を開催した。
米ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を巡り、国際スポーツ界で人種差別行為に抗議する動きが広がっていることについても議論された。バッハ会長は理事会後の会見で「IOCはいかなる人種差別も非難する」と表明。現在、IOCが定めた五輪憲章では、競技会場や選手村で政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じられているが、バッハ会長は「現在、IOCのアスリート委員会が選手達と対話し、表現の方法を検討している」と場合によっては容認する可能性を示し、同委員会からの提案を待つ考えを示した。
IOCは今年1月、憲章第50条の当該条項について具体例を示したガイドライン(指針)を発表し、米プロフットボールNFLで人種差別に抗議するため国歌斉唱の際に一部選手が行った膝つき行為は認めないと明文化している。ただ、米国の五輪委員会が10日に、五輪での抗議活動容認を目指して行く方針を発表するなど、動きが出てきている。