IOCバッハ会長「いかなる人種差別も非難する」 五輪での抗議活動一部容認も

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)は10日、スイス・ローザンヌでの理事会後に会見し、米ミネアポリスで起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受け、「いかなる人種差別も非難する」と表明した。

 五輪憲章は競技会場や選手村での政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁じているものの、五輪での抗議活動を一部容認する可能性も含め、IOCアスリート委員会での今後の議論を見守る考えを示した。

 IOCは今年1月にガイドライン(指針)を発表。NFLで人種差別に抗議するため国歌斉唱の際に一部選手が行った膝つき行為や抗議のジェスチャーは認めないと明文化している。

 また、バッハ会長は、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪について「コスト削減がもたらす大会の簡素化で大きな進展が見られた」と評価。IOCと大会組織委員会は、安全・安心な環境の提供、延期に伴う費用の最小化、簡素な大会という3つの基本原則を基に準備を進めていく。

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