ジョコビッチも新型コロナ感染公表「残念ながらウイルスまだ存在」対策軽視に批判も
男子テニスの世界ランク1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たことが23日、分かった。海外メディアが一斉に報じた。ジョコビッチは声明で「私の結果はポジティブ(陽性)だった」と発表した。また、ジョコビッチの妻も陽性だったという。
今月に入り、ジョコビッチの発案でスタートしたチャリティエキシビション大会後で、新型コロナウイルスに感染した選手が複数判明。選手としてはジョコビッチで4人目の陽性判明者となった。大会を主催したジョコビッチに批判が集まっているが、声明で「この1カ月に行ったことは純粋な心と誠意を持って行った。トーナメントは地域全体で連帯と思いやりのメッセージを統一し、共有することを目的としている」と大会の意義を強調しつつも「ウイルスが弱体化し、ツアーをホストするための条件は満たされたと信じていましたが、残念ながらウイルスはまだ存在していた。個々の感染は非常に残念です。誰もが元気になることを願っています」と、弁明した。今後14日間の自己隔離に入るという。
大会は第1戦がセルビア、第2戦がクロアチアで行われ、ジョコビッチのほか、同3位ドミニク・ティエム(オーストリア)、同7位アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)らトップ選手が参戦。約4000人のファンを集客した。
しかし、21日に世界ランク19位のグリゴル・ディミトロフ(28)=ブルガリア=が自身のインスタグラムで新型コロナウイルスに感染したことを報告。22日には20日の試合でディミトロフと対戦した世界ランク33位のボルナ・チョリッチ(クロアチア)が22日、自身のツイッターを更新し、新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを公表。23日になり、ビクトル・トロイツキ(セルビア)も陽性だったことが判明した。トロイツキの妻など、すでに6人以上の感染が確認されている。大会は21日に中止されている。
大会では対戦相手と肩を組んだ記念撮影や握手、ハグなどが行われており、また、試合後に盛大なパーティーも開かれていたことが判明。希薄な感染対策が波紋を呼んでいた。感染者が出たことで、批判は過熱しており、世界ランク40位のニック・キリオス(豪州)は、自身のツイッターで「エキシビションを主催するという馬鹿げた決断」と、痛烈に批判。世界ランク28位のダニエル・エバンズ(英国)も「ジョコビッチは責任を感じるべき」と突き放している。
8月からツアー再開が予定されている中、波紋は広がりそうだ。