御嶽海「早く出稽古を解禁して」実戦練習不足に不安「稽古相手は3人しかいない」
「大相撲7月場所」(7月19日初日、東京・両国国技館)
3場所ぶりに関脇復帰した御嶽海(27)=出羽海=が24日、都内の部屋で稽古後、電話での代表取材に応じた。新型コロナウイルスの影響で基礎運動を中心に調整してきたが、初日まで1カ月を切りペースも上がってきた。
「下の子らは相撲を取り始めた。(自身は)1週間前から若い子相手にぶつかり、胸出しをやっている。当たれていない感じはある。相撲を取れば怖いのはある。ここまで相撲を取らないのは初めて。取り始めはやはり気を付けないと。気を付けながらも戻すためにはやらないといけない」と話した。
先場所後、3カ月は基礎運動の毎日。「全体的に下半身は落ちやすいので。落とすと(筋肉が)付きにくい。そこは気を付けてやった。(毎日)四股、すり足を1時間半みっちりだね。7時半から稽古が始まって9時過ぎ終わるから基礎が1時間半。そこからダンベル持って30分近く」と体を追い込んできた。
本来なら部屋同士が近い春日野部屋と合同稽古で春日野部屋の栃ノ心、碧山、栃煌山と申し合いをして鍛えていくのが調整。だが、出稽古が禁止されており、実戦が遠ざかる。
「7月に入って自分も相撲を取っていく。早く出稽古を解禁してもらわないと。自分の場合は稽古相手は春日野の3人しかいないから。(部屋に関取が)1人というのはつらい。ま、でもここからは実戦。いつでも相撲を取れる状況に体を上げていく」と力を込めた。
3カ月も相撲を取らないのは初めて。未知の調整には不安もある。「ケガして1カ月、相撲を取らないのはあったけど、ぶつかりはやってたからね。モチベーションは難しいよ。どういう気持ちで待っていればいいのか難しい」。
新型コロナウイルスに感染し28歳の若さで勝武士が亡くなったのもショックだった。「1つ上だし、巡業でいつもいたわけだから。悲しい。身近な人が亡くなると怖い」。
関脇に戻って、再び大関へ挑戦が始まる。「焦らないで自分のペースでやっていく。この地位は落ちたくない。2場所(平幕を)経験して思いました。土俵入りの時、取組表を気にして並ぶのは嫌。後ろでいたいというのはある」と語った。
学生相撲の後輩の朝乃山(26)=高砂=が先に大関に上がった。「うれしいですよ。小学校の頃から知っている石橋くんが上がってくれてのは。学生で上がってくれるのはうれしいですよ。悔しいとか言われるけど、今は自分を見つめる期間。高安関、貴景勝関もそう。先に上がられて悔しい思いはもうしている」と振り返った。
通常は場所の後半に上位戦が組まれる関脇はV争いのカギを握る存在。「関脇ですけど、引っ張っていくつもり。2回も優勝しているわけだから。食らい付いてというより、今度はしっかり引っ張ってみんなが喜ぶ成績にしたい」とプライドをにじませた。
プロ野球も開幕し、スポーツ界もようやく動き出した。「7月10日からはお客さんも入れるみたいだし、(相撲も)入れてくれたらうれしい。無観客でもやってもらうのはありがたいですけど、歓声はやっぱり力になるし、やってて良かったという気持ちになる。観客の前でやりたいですね」と待望した。
7月場所に向け、「久々の土俵の感覚がどうなるのか自分も読めない。初心の気持ちで暴れたいし、相撲を取りたい。向かって行く気持ちを前面に出したい」と意気込んだ。