テニス全米OP ダニエル「出たい」内山「まだ早い」コロナ禍でのツアー再開に懸念も

 男子テニスのダニエル太郎(27)=エイブル=と内山靖崇(27)=積水化学工業=が27日、オンラインで取材に応じた。新型コロナウイルスの影響でツアーが中断している中、四大大会の一つ全米オープンが8月31日から無観客で開催されると発表されたことを受け、それぞれの見解を示した。

 全米OPに先駆けて、男子は8月14日のシティオープン(米ワシントンDC)からツアーが再開予定となっている。ダニエルは「アメリカに行くのは不安だが、僕は大会を開催してほしいという意見。(再開する)他のスポーツに負けちゃいけない」と前向きな姿勢を示した。

 国際的にコロナ禍の終息が見えない中、テニス界では先日、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が主催したチャリティー大会で新型コロナ感染者が続出したことが記憶に新しいが、全米オープンは行動制限を図るなど厳しい感染対策を講じる方針が発表されている。

 ダニエルは「この前のジョコビッチのイベントみたいなことが起こらないように、選手もソーシャルディスタンスを取って、対策しながら(ツアーを)開催してほしい。(検査で)偽陽性も出ると聞いて不安だが、怖がってテニスやらないより、厳しいルールでやる方が生産的」と、最大限に感染対策をとった上での大会開催を歓迎した。

 一方、内山はツアー再開について「正直まだ早いのかな」と率直な意見を述べた。下部ツアーなどの開催はまだ未定とあって、ポイントの公平性が不透明なことなどを指摘した上で「ツアー(の全大会)で全米OPほどの感染防止対策をできるとも思えない。(コロナ)陽性者は棄権になるのかとか、2人とも陽性で決勝ができないとかもあり得なくない。そう考えると、ツアーってそんな急いでやる必要があるの?って思う」と懸念を示した。

 ただ、そんな思いも抱きつつ、プロ選手としてはツアー再開となれば初戦から出場する方針だともいう。「参加しないとランク上がらないとか、来年五輪があると言うことで、自分からそのチャンス手放すようなことをするのは決断しにくいというのは正直ある」と話し、「自分が海外に行くことで感染するリスクがあるし、近い人を巻き込む可能性があることはしたくないけど、(競技者としては)参加しないといけないという難しい選択」と複雑な胸の内を明かした。

 この日は、ダニエルらが呼びかけた無観客イベント「チャレンジテニス」の第1日が開催され、45分間という特別ルールのエキシビジションマッチで久々にプレーし、ダニエルが内山に6-5で勝利した。

 久々のプレー機会に、内山は「選手としてはありがたい。実戦から離れていたので久しぶりに試合できて楽しかった」と感謝しきり。エキシビションマッチ開催については、「(先日の)ジョコビッチのイベントで感染者が出ているが、世界各地で(イベントを)やっていることに関しては選手側が欲している。本当ならツアー真っ最中(の時期)で家にいるのは違和感があるし、ツアーが再開したら少しでもいい状態で入りたい」と前向きに捉えた。

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