ナイキ旋風“厚い”牙城 近年の主要国際マラソンの上位を独占
スポーツ用品大手のミズノは1日、高反発の新素材「ミズノエナジー」を用いた長距離ランナー向けのランニングシューズ「ウエーブデュエルネオ」の発表会見をオンラインで行った。7月中旬から販売する。20年1月に箱根駅伝の10区で創価大・嶋津雄大が区間新記録をマークした際に履いていた、長距離界を席巻するナイキの厚底シューズに一矢報いたプロトタイプの完成版。靴底の厚さは従来モデルと変わらぬ“薄底”で、来夏に延期された東京五輪に向けて、反撃に打って出る。
男女のマラソン世界記録を誕生させるなどナイキ社の厚底シューズ「ヴェイパーフライ」が近年の陸上長距離界を席巻。カーボンプレートによる反発力などに革新的な技術が詰め込まれた同シューズは近年の主要国際マラソンの上位を独占し、日本でも20年1月2、3日に行われた箱根駅伝で8割以上の選手が着用。10区間中7つの区間で区間新記録が誕生したが、その内6つは厚底シューズによるものだった。昨季は実業団や、高校駅伝などでも使用する選手が大半を占めた。
世界陸連は20年1月にシューズの新規則を発表。靴底は4センチ以下で、カーボンプレートは1枚のみに制限した。ただ、ナイキは2月に入り、靴底3・95センチの新モデル「アルファフライ」を発表。20年3月の東京マラソンでは大迫傑(ナイキ)は同シューズを履き、自身の記録を更新し、2度目の日本新記録となる2時間5分29秒をマークした。