池江璃花子、10月復帰目指す!目標は24年パリ五輪 4日に20歳「強い女性に」
競泳女子で白血病からの復帰を目指す池江璃花子(19)=ルネサンス=が2日、東京都内で行った練習をオンラインで公開した。池江が報道各社に練習を公開するのは退院後初。西崎勇ヘッドコーチ(41)の指導を受けながら、日本代表経験のある持田早智(20)、山本茉由佳(20)=ともにルネサンス=と2時間ほど、約3500メートルを泳ぎ込んだ。日本学生選手権(10月1~4日、東京辰巳国際水泳場)での復帰が目標。24年パリ五輪出場を目指す。
はじける笑顔で、いきいきと水を駆ける池江が戻ってきた。練習量や強度は他の選手の6~8割程度。「今の泳力的に、自分の中学生の頃くらい」と言うが「プレッシャーとか何も感じずに、心から楽しんで水泳をできている」。泳げる喜びが全身からあふれた。
緊急事態宣言解除後の6月中旬から新体制で本格的な練習を再開。月に1度の通院は続けているが、服用中の薬の量はかなり減り「(体調は)ずっと安定しています」。練習は週4回。地道に体力を戻している。
当面の目標は、10月に開催される大学生の晴れ舞台、日本学生選手権「インカレ」への出場だ。これには西崎ヘッドコーチも「チャンスがあれば、安全面に配慮しながら検討したい」と可能性を示唆。ただし、コロナ禍で多くの大会が中止になっているため不透明な部分も多く、池江は「とにかくあることを信じて今は練習に励んでいる。でも、インカレがなくても、とにかく練習をひたすら頑張るしかないので、モチベーションを下げないようにキープしていけたら」と冷静に語った。
1年延期が決まった東京五輪に対しては「期待されることもあるけれど、あくまでも自分の目標は24年(パリ五輪)」とあらためて明言。「21年五輪にとらわれず、今はとにかく24年にという思い。土台をつくってやっていけたら」と4年後を見据えた。また「2016年(リオ五輪)に出たけれど、その1回では終わらせたくない」と池江。「またそこで活躍できるように、その目標を達成できるように頑張っていきたい」と強い決意をにじませた。
4日には20歳の誕生日を迎える。栄光も、挫折も、さまざまな経験をし、今や大きな影響力を持つアスリートの1人だ。節目を前に「大人になる第一歩。自覚を持って、周りの人たちにも頼りながら自分の意志を持って、人として内面的に強い女性になっていけたら」とはにかんだ。
その背中にはきっと、20歳には重すぎるほど多くのものを背負っているのだろう。しかし池江は折れない。「正直もう、入院していた頃よりキツいことはないと思っているので」。焦らず、常に前を向いて。完全復活への道を、池江は歩き出している。