ボクシング連盟また内紛!理事選任巡り…現体制VS旧体制 訴訟問題に発展の可能性も
アマチュアボクシングを統括する日本ボクシング連盟で再び内部分裂が起こっていることが、5日までに明らかになった。7月18日の定時総会を前に、次期理事選任を巡って現体制と旧体制派が対立。公益法人化を目指す中でのあつれきで、連盟内部で訴訟問題に発展する可能性も浮上している。
6月6日のオンラインによる日本ボクシング連盟の理事会では、理事候補者35人が理事選考委員会から挙げられた。しかし、公開された議事録の別紙資料によると、内田貞信会長はこれに対して理事候補の決定プロセスが不透明であるとし、「『理事候補』にガバナンスコードに適合していない前体制の理事が多数含まれている」などの問題点を挙げた。
火種はこの「前体制(旧体制派)理事」。同連盟は2018年に山根明前会長が助成金の不適切な流用などで辞任した後の新体制下で、現在の一般社団法人から、より透明性の高い公益法人への移行をマニフェストとして掲げてきた。しかし、公益法人化を内閣府へ申請するためには運営の改善が認められる必要がある。
現体制は旧体制派から理事を出さず、委員長などの役職を託すことで折り合いをつけたい意向だが、旧体制派は「前組織などの言葉は差別的」などと反発。最終的に旧体制派3人の理事候補は個別に採決され、2人は否決、1人は可決で、現体制としては火種を残したままだ。
対立はこれにとどまらない。事務方トップとして内田会長を支えてきた菊池浩吉副会長は、旧体制派に対して7月1日付で内容証明を送付。コーチ設置事業に関して不正を行ったなどの話を複数の関係者に流布されたとして、名誉毀損(きそん)で損害賠償請求を行う構えを見せている。
内田会長は取材に対し「旧体制派を追い出すということではなく、公益化のために協力してほしい」と訴えた。定時総会では新理事選任ともに、任期満了の内田会長が再任か否かも争点となる可能性があり、波乱含みだ。