陸上・田中希実、女子3000メートル18年ぶり日本新!福士超えの爆走で3秒縮めた
「陸上・ホクレン中長距離チャレンジ」(8日、深川市陸上競技場)
女子3000メートルで田中希実(20)=豊田自動織機TC=が18年ぶりに日本記録を塗り替える8分41秒35で1位となった。福士加代子(ワコール)が2002年に出した8分44秒40を3秒05縮めた。
石狩平野を吹き抜ける涼風に乗り、3000メートルを駆け抜けた。日本女子トラック界のホープ、田中が18年ぶりに日本記録を塗り替えた。“福士超え”の爆走にも「今はうれしいというより、練習の成果を出せてホッとしている」と、求道者のように振り返った。
スタート直後から先頭で引っ張った。記録だけを見据える20歳のハイペースに、22人によるレースはわずか300メートルで4人に絞られた。残り1周でギアチェンジし「自分の感覚でレースを進めて、ラストで上げられた」と作戦を評価した。
97、03年と北海道マラソンを2度制した母千洋さんのDNAを受け継ぐ。昨年10月のドーハ世界選手権5000メートル決勝で日本歴代2位の15分0秒01をマーク。4日の第1戦は1500メートルで日本歴代2位の4分8秒68。灼熱(しゃくねつ)下でも中3日でも結果を出してしまう勢いがある。
すでに5000メートルで東京五輪の参加標準記録を突破している。「五輪で出すはずだった力を今年の数少ない大会の中で確実に出していきたい」。来夏への思いは、熱く強くほとばしっている。