柔道 丸山VS阿部の五輪代表争い、最終決戦の12月GS東京中止なら直接決戦も再浮上
全日本柔道連盟の中里壮也専務理事が13日、オンラインで取材に応じ、男子66キロ級の東京五輪代表選考会を兼ねるグランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日)について、同大会が開催できない場合は同時期に代替の選考会を開催する見通しであることを明かした。その場合、19年世界王者の丸山城志郎(26)=ミキハウス=と17、18年世界王者の阿部一二三(22)=パーク24=の直接対決によるワンマッチ代表決定戦になる可能性もあるという。
新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪に向けて、唯一代表が決まっていない同階級は、2人の世界王者が僅差で1枠を争っている。4月の全日本選抜体重別選手権で決着をつけるはずだったが延期となり、一時はワンマッチ決戦案も浮上したが、国際大会である12月のGS東京大会が最終決戦の舞台に設定された。
ただ、現時点では国内外で新型コロナウイルスの終息のめどが立っていない状況で、12月といえどもGS東京大会の開催可否は不透明。主催の国際柔道連盟(IJF)は公平性の観点から、大会に参加できない国がある場合は開催を見送る基本方針を示しているだけに、中里専務理事は「(開催できるように)準備はしておくが、現実面ではなかなか難しいところがある」との見解を示した。
GS東京大会が中止となった場合、全柔連としては同じ12月に代替の選考会を開く見通しで、その場合は丸山対阿部のワンマッチによる代表決定戦となる可能性も再浮上する。ただ、その場合もあくまで両選手が公平に試合への準備ができることが前提。コロナ感染者が減少していない東京都では依然、乱取り練習ができない状況が続いており、中里専務理事は「強化(担当者)が、どうやって選考するのが公平かを考えると思う」と話した。