中川部屋が閉鎖…弟子3人へ暴言や暴力 親方は2階級降格処分、力士は移籍へ

 日本相撲協会は13日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、弟子3人へ暴力、暴言があった中川親方(54)=元幕内旭里=に対し、2階級降格(委員から平年寄)処分とすると決議した。中川部屋は閉鎖が決まり、同親方は一門の時津風部屋の部屋付きとなる。

 所属した幕下以下の力士9人は1人が引退。残りは転籍となった。幕下旭蒼天は片男波部屋に、中学横綱の幕下吉井は時津風部屋に移籍する。

 協会の発表によると今年2月、同親方はちゃんこの運び方を弟子に注意した際、顔面中央付近を右手拳で1回殴打。また、3月の春場所中、荷物転送に不手際があった別の弟子に立腹し、背中を蹴り、左顔面を平手で1回叩いた。この弟子が居眠りした際には正座させて腹を3回蹴り、胸部を手拳で2回殴打した。別の弟子には浴衣帯の結び方を注意した際、左こめかみ付近を手拳で1回殴打した。3人の弟子に対しは日常的に「首にするぞ」「殺すぞ」などの暴言も繰り返していた。

 協会のコンプライアンス委員会は双方から聴取し、処分意見を八角理事長(元横綱北勝海)に答申。協会として暴力根絶に取り組む中で、指導すべき師匠自身が暴力を振るったことを重く見て、部屋の閉鎖が決定した。今後、師匠に対する指導セミナー開催や、弟子育成マニュアル作成を検討する。

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