大迫傑 東京五輪は「来年あることを前提に努力を続けていく」

 東京五輪男子マラソン代表で日本記録保持者の大迫傑(29)=ナイキ=が16日、オンラインによる取材に応じた。

 新型コロナウイルスの影響で延期された東京五輪まで23日であと一年。五輪の位置づけについて「大きな目標の一つであるし、自分の年齢からしても一つ脂の乗った時期に迎えられる大会。集大成の一つとしては狙うべき大会なんじゃないかな、と思う。ただ、こればっかりはコロナの影響があるので、来年もあるかどうか分からないし、なくなれば次の目標に向かってやっていくだけ。何としてでも開催してほしいみたいな、そういう思いはないことはないけど、そこまで強くはない。なければ別の目標に向かって自分の価値を上げていくためにやるというだけ」と語った。

 そして五輪への思いや目標については「特にない。来年あることを前提に努力をしっかりと続けていくというか、淡々とやっていくということ。そこに向けてまだ、明確な目標を立てる段階ではない」と話した。

 練習拠点は米国オレゴン州ポートランド。米国は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況にあるが「そんなによそよそしい雰囲気とか、怖さを感じることは正直ない。個人の生活は変わっていないと感じている。練習場所での往復とか、必要以上の外出はコロナでなくてもしない。練習においても一人でやることが多いし、やっても少人数で集まっている。気をつけることといったら、室内でマスクをつけたりとか、スーパーにいくときにマスクはもちろんだが、ソーシャルディスタンスに気を配るようになった。手洗いはもちろんだがその点ぐらい。そんなにストレスは感じていない」と明かした。

 前日には、自身のツイッターで大学の枠を超えて世界で戦うために強さを求める選手が集まるチーム「Sugar Elite」の設立を発表した。第1弾として全国の大学の中長距離選手を対象に、8月17日から24日まで最大10人のキャンプを実施する。

 「指導することはあるが、それ以上に大切なのは背中を見せることだと思っている。コロナの影響でオリンピックが延びた今、ぼくらトップアスリートはどういう練習をしていて、どういう姿勢で競技に取り組んでいくか、ということを選手に知ってもらいたい。自分の集大成としての東京五輪があると思っているので、『大迫選手ってこれだけ練習しているんだ』とか、『自分ならこういったことができるな』ということの基準にしてもらいたいという思い。それは引退してからだと自分は無理だと思っている。今できること」と説明した。

 五輪に向けてマラソンを挟むかについては「特に今の段階で言えることはない。今後どうなるか分からないし、状況を見ながら決めていけたらと思っている。走れたら走れたでいいのかもしれないけど、走れなかったら走れなかったで準備をするというだけ」と見通しを示した。

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