東京“スライド”五輪7・23開幕!新日程発表 42競技会場はそのまま

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は17日、新型コロナウイルスの影響により2021年夏に延期された五輪の新たな競技日程と会場を発表した。21年7月23日の開幕を踏まえ、曜日を合わせて旧計画を1日ずつ前倒し。一部の競技で開始・終了時間や実施順を微調整したものの、同一日程を維持した。42ある競技会場についても20年の計画と同一の施設を使用する。

 新たに発表された日程は、従来の計画のスライドとなった。曜日も合わせて1日ずつ前倒し。7月23日から8月8日までの17日間、史上最多33競技339種目を、従来と同じ42会場で実施することが決まった。

 オンラインで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会でのプレゼンテーション後、会見した組織委の森喜朗会長は「(3月の延期決定後)4カ月ぐらいでまとめ上げたことを評価してもらった。みなさんが努力したことが報われた」と評した。

 テストイベントを踏まえ、試合時間や輸送などの検証結果を通して、一部の競技で開始・終了時間などを微調整した。一例として7月24日の重量挙げ女子49キロ級はセッションの開始を1時間後ろ倒したものの、変更を要した種目についてはおおむね5~30分の時間内に収まっている。

 一方で、セッションの中に新たに組み込まれたものもある。開催地が札幌に移ったマラソンと競歩は、花束贈呈の式典が札幌で、表彰式は東京の五輪スタジアムで行われる。表彰式について、マラソンは男女とも3時間予定されている閉会式の中で実施。競歩については、当初の予定より時間を10分繰り上げたセッションの中にメダルセレモニーが入った。

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で深刻化しており、来夏の開催が危惧されている東京大会。武藤敏郎事務総長は最大の課題としてコロナ対策を挙げ、秋以降に国、東京都、組織委を中心とした会を設け、検討をスタートさせていくと明言した。

 来夏の開催を不安視する世論について問われた森会長は、東京都知事選挙の結果も踏まえ「静かなる五輪に対する期待が、まだまだしっかりと定着している。五輪という崇高なドラマで世界が一つになれる。大事にしなくてはならないと感じている」と、開催の意義を強調。コロナの先行きが見通せない中、開幕まであと1年を前に、大会の骨格が固まった。

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