「大相撲７月場所」（１９日初日、両国国技館）

　初日を翌日に控えた１８日、両国国技館で１５日間の安全を祈る土俵祭りが行われた。新型コロナウイルスの影響で夏場所が中止となり、４カ月ぶりの本場所開催。都内で感染が拡大する中、土俵祭りも春場所同様に観客を入れず、力士も不参加と厳戒態勢となった。

　土俵周りに八角理事長（元横綱北勝海）ら親方衆が約１メートルの間隔をあけマスク姿で座った。静まり返る館内に祭主の言上が響いた。

　前例のない“ソーシャルディスタンス場所”だ。観客は２５００人を上限とし、升席に１人で座る。大声での応援は自粛で、力士との接触も禁止された。

　東京開催場所の責任者、尾車事業部長（元大関琴風）が電話での取材に応じ「緊張感でいっぱい」と心境を吐露。力士や観客の安全のため、この日も執行部で注意事項を確認し合った。チケット販売は苦戦するが観客には感謝の思いしかない。

　力士は支度部屋でマスクを着用し準備運動を行う。「命懸けの場所。力士は力強い相撲を取って勇気と希望を与えられるような場所に」と同部長が角界一丸の決意を述べた。