IOCバッハ会長、五輪観客減「シナリオの一つ」開会式の簡素化には消極的
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)は17日、オンライン形式で開かれた総会後に記者会見し、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪の簡素化について、「観客を減らすことも検討すべきシナリオの一つだ」と、観客数を削減する可能性について言及した。
バッハ氏は「無観客は望んでいない」との見解を示しているが、観客数の削減は21年の渡航制限や隔離措置などコロナ対策の状況に左右されると指摘。ただ、「熱狂的なファンで埋まった会場を見たい。(判断は)時期尚早だ」とも強調した。
組織委員会は17日に東京五輪の新日程を発表。すでに販売済みの約450万枚のチケットについては「現時点では有効」とした。秋以降のコロナ対策の議論を経て、観客数の削減に手をつけることになれば、大きな混乱を呼ぶ可能性がある。
一方でバッハ氏は開閉会式の規模縮小には慎重な姿勢だった。式典は組織委の検討課題だと前置きし「開会式は開催国の文化やおもてなしを披露する機会。選手、世界の人々にとって一生に一度のイベントだ」と縮小に前向きな発言は避けた。組織委の森会長は開会式の簡素化について、放映権の問題で、IOCが難色を示していることを明かしている。