朝乃山、連勝発進で新大関の貫録 声援少なくても務めキッチリ!八角理事長も「強い」
「大相撲7月場所・2日目」(20日、両国国技館)
新大関朝乃山が東前頭筆頭の遠藤を寄り切って、初日から会心の2連勝とした。相撲巧者を真っ向受け止め、圧倒した馬力を八角理事長(元横綱北勝海)も絶賛した。新型コロナウイルスにより声援はないが大拍手の応援に感謝しパワー全開。横綱鶴竜が右肘を痛め、この日から休場し、大関として最後まで優勝争いに加わる責任感をあふれさせた。一人横綱となった白鵬は豊山を一蹴し2連勝。かど番大関の貴景勝も阿武咲をはたき込み2連勝となった。
地位が人を作るのか-。朝乃山が過去、3勝6敗と苦手にした遠藤をねじ伏せた。低い立ち合いの相手を馬力で受け止め、圧力勝ち。たぐられても、下半身がどっしり。最後は自慢の左上手をがっちりつかみ寄り切った。
「しっかり自分の相撲を取り切るようにやっている。相手をしっかりよく見て動けた。(上手を取り)あとはしっかり落ち付いて取れた」。リモート取材でパソコン画面越しに自信をあふれさせた。
自身は富山、遠藤は隣県、石川出身と“北陸ダービー”。3学年上で学生相撲の大スターが相手ながら、しっかりと番付の差を見せた。八角理事長(元横綱北勝海)も貫禄の2連勝に賛辞を並べた。
「強いよ。自分の型を持っているから迷いがない。遠藤も馬力に負けてる。馬力で封じた。大関に上がってやらなきゃならないという気持ちが出たのではないか。今までとは違うという、それがいい結果になって出ている。堂々としている」
理事長もうなるように、明らかに圧力が増した。進化を求め6月下旬から専属トレーナーと契約。体のケアや筋力トレーニングの指導を受ける。週に数度、1回で3時間、「相撲の動作に使う筋肉や普段は使わない筋肉」を鍛えて強化してきた成果が出ている。
横綱鶴竜が休場し、増す責任感。「大関となれば相手は倒しに来る。僕も負けられない。大関の務めをしっかりと果たす」とキッパリ。大きな拍手が本当に力になる。「この時期、(コロナ禍で)危ない中、来てくださって1人1人、お客さんに応えていきたい」。新大関Vへ向け、心身とも充実一途だ。