橋本五輪相、東京五輪“消極”世論に理解も毅然「開催可否は時期尚早」

 橋本聖子五輪相が21日、閣議後の定例会見を行った。新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪が間もなく開幕1年前となる中、国内では大会開催に消極的な世論も支配的となってきているが、「現時点で来年の開催可否を論じるのは時期尚早と考えている」と述べ、これまでと変わらず、引き続き感染症対策や大会経費削減などの課題に取り組む姿勢を示した。

 間もなく来夏の五輪開幕まで1年となるが、国内外で新型コロナ感染拡大は収まらず、終息のめどは立っていない。全国の世論調査では、来夏の大会開催について「再延期」や「中止」を支持する声が6~7割となるなど“消極的”な意見が支配的となっている。

 橋本大臣は「(調査の)結果を見て、『来年本当に(大会が)できるんだろうか』と不安を抱いている人がたくさんいることが反映された結果だと受け止めている」と世論に一定の理解を示した上で、「コロナ対策も組織委員会のロードマップ(計画)で秋以降に検討する。(課題の)ひとつひとつに基本原則が示されており、それを着実に進めていく」と強調。国際オリンピック委員会(IOC)が示しているコロナ対策や大会簡素化等の基本方針を遂行しながら、国民の理解を得る考えを毅然(きぜん)と示した。

 また、コロナ対策に関しては、大会組織委員会、東京都、国が連携して「対策会議」を設置する方針となっている。橋本大臣は「出入国管理、検査、治療、療養対策などの部分で、国がイニシアチブ(主導権)をとっていかないといけない問題もある」と、政府が主導的な立場をとることを示唆。「最大限効果が表れるよう、国としてしっかりサポート体制をつくっていきたい」と語った。

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