朝乃山、無傷の8連勝!新大関6位タイ 荒磯親方が大絶賛「四つ相撲の完成形」
「大相撲7月場所・8日目」(26日、両国国技館)
新大関朝乃山(26)=高砂=が自己新を更新する8連勝で自身初の中日、勝ち越しを決めた。巨漢碧山の突きを真っ向から跳ね返し、最後は寄り切って完勝。テレビ解説の荒磯親方(元横綱稀勢の里)が「四つ相撲の完成形」と絶賛した。横綱白鵬も輝を一蹴し、自身50回目のストレート給金。関脇御嶽海が敗れ、全勝トップは朝乃山と白鵬2人と一騎打ちムードとなってきた。1敗で両関脇正代、御嶽海、平幕照ノ富士が追う。
周囲の称賛が日に日に高まる。朝乃山が“重戦車”碧山に一歩も引かず応戦。踏み込んで顔面に突き押しを食らっても下半身は乱れない。圧力で194キロを後退させ、最後は右四つにがっちり組み止め相手を観念させた。
テレビ解説の荒磯親方は「下半身がぶれない。四つ相撲の完成形と思う。簡単にやってしまう」とうなった。左四つを“極めた”元横綱が思わず、笑ってしまうほど、完ぺきな四つ相撲の姿だった。
八角理事長(元横綱北勝海)は「自信もある。こっちが押していくんだという気持ちがある。内容がいい」と連日の賛辞。土俵下の藤島審判長(元大関武双山)は「日に日に強くなっている」と成長を目の当たりにした。
自身初の中日で勝ち越し。新大関の無傷8連勝は昭和以降、6位タイの記録にも本人はいつも通り。「きょうも一日一番、自分の相撲を取り切ることだけを考えた。足も出て体も動いたのでこの結果につながった」と、冷静に振り返った。
今年の初場所前、部屋も一門も違う荒磯親方の胸を借り稽古した。引退して1年もたつ親方に1勝16敗と完敗したが、四つの極意を体感。その成果が今、表れている。荒磯親方の褒め言葉に「大変うれしい」と感謝した。
地元富山市の実家近くの公民館ではパブリックビューイングで連日、盛り上がる。この日から新調した化粧まわしは「金太郎の抱き鯉」。富山後援会の青木仁理事長が社長を務める「青木工業」が場所前に贈ったもので金太郎も黒鯉も「立身出世」の意味がある。さらに鯉の回りには白い綱をデザイン。「綱とりしてね」と同社長は今年中の横綱昇進を祈願した。手渡した際、その思いを伝えられた朝乃山は「頑張ります」と“約束”した。
全勝は白鵬と2人となり、一騎打ち。06年夏場所の白鵬以来、新大関Vへ気持ちもぶれない。「ネガティブに考えない。一番一番、取り切って、結果は後から付いてくる。睡眠を取って、炭水化物を取って体力が落ちないように。あしたからも自信を持って頑張りたい」。大関の風格を漂わせ、勝負の後半戦に臨む。